急性尿閉症例の臨床的検討

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タイトル別名
  • CLINICAL STUDY OF ACUTE URINARY RETENTION
  • キュウセイ ニョウヘイショウレイ ノ リンショウテキ ケントウ

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説明

(目的) 当科を受診した急性尿閉に対する臨床的検討を行った.<br>(対象と方法) 1993年4月から2005年4月までの12年間に, 急性尿閉にて近畿大学医学部泌尿器科を診療時間内および救急診療時間帯に受診した206症例を対象とした.<br>(結果) 急性尿閉症例206症例の性別は男性175例 (85%), 女性31例 (15%) であった. 男女比は5.6:1で男性に著明に多く認めた. 206症例全体の年齢分布は最少6歳から最高93歳に分布し平均66歳であった. 男性例では平均69.6歳であった. 女性例では平均46.3歳であった. 原因疾患は男性では下部尿路閉塞 (Bladder Outlet Obstruction; BOO) が175例中123 (70.3%) を占め, その中でも前立腺肥大症 (Benign Prostatic hyperplasia; BPH) が92例と全体の52.6%を占めた. 排尿筋収縮力低下 (Detrusor Weakness; DW) は35例 (20%) であった. 女性ではDWが20例 (64.5%) で最も多かった. 治療は男性例ではBOO 123例中69例 (56%) に手術療法を行い, 中でもBPHには92例中56例 (60.8%) に手術治療, 19例に薬物治療, 3例で経過観察を行った. 女性例では10例で原因疾患の治療により自排尿が可能となった. 転帰は, 最終的に自排尿が可能になったのは男性125例, 女性14例の計139例 (67.5%) であった.<br>(結論)<br>1 急性尿閉の85%は男性. そのうち70%は何らかのBOOに起因する. 残る30%は閉塞ではない原因によりDWは約70%を占めた.<br>2 全体で治療後約70%が自排尿可能となったが30%はカテーテル手技を要した.<br>3 BOOの原因解除で自排尿となる可能性が高いがBOO以外の原因の治療ではCICが高率であった.<br>4 急性尿閉の15%は女性であった.

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参考文献 (16)*注記

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