クエン酸発酵培養条件によるシュウ酸の生成

書誌事項

タイトル別名
  • Cultural Conditions for the Production of Oxalic Acid in Citric Acid Fermentation

説明

黒カビを用いて液内培養法によりクエン酸発酵を行なう場合のシュウ酸生成の原因について研究した。その結果次のような因子が見出された。<BR>(1)培地の初発pHの高低というより,むしろ培養初期(菌体発育前期)に培地のpHが急に低下するような生理的性質を有する窒素源を用いると,シュウ酸の生成を防げる。<BR>(2)リン酸源が過剰に存在するとシュウ酸を生成し易い。<BR>(3)菌株によっては,ある種の金属イオンの存在または欠乏,とくに亜鉛の存在,マンガンの欠乏がシュウ酸生成の原因となり得る場合がある。<BR>(4)培養中に生育菌糸の機械的切断が起ると,菌に対する窒素源の生理的性質に変化をもたらし,硝酸アンモニウムを窒素源とする培地ではシュウ酸を生成する。

収録刊行物

  • 工業化学雑誌

    工業化学雑誌 63 (5), 848-851, 1960

    The Chemical Society of Japan

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