1,2-ジケトンジオキシムの鉄(II)錯体の電荷移動吸収帯

書誌事項

タイトル別名
  • The Charge-transfer Band of Iron(II) Complexes with 1, 2Diketone Dioximes and Pyridine

この論文をさがす

説明

FeII(DH)2PY2 型錯体をジメチルグリオキシム(dgH2), 1, 2-シクロヘキサンジオンジオキシム(niH2),α-ベンジルジオキシム (bzH2), およびα-フリルジオキシム(frH2)などのα-ジオキシム類を用いて合成した。DHはα-ジオキシマートイオン, Pyはピリジンを表わす。これらの分析値は,FeII(DH)2Py2の組成と一致した。これら錯体の赤外および電子吸収スペクトルを測定した。<BR>510~570mμ付近に認められる強い吸収帯は,d6→ π*遷移に基づくものであり,これらの位置は配位したジオキシムのつぎの順序で長波長側へ移動している。dgH2< niH2< bzH2<frH2<BR>赤外吸収スペクトルにおいて,C=N特性吸収帯は配位π 結合の存在のため1500cm-1付近に認められる。これらの吸収帯も上記と同じ順に長波長側へ移動している。しかし,514~650cm-1付近に認められるFe-N特性吸収帯の位置は,C=N吸収帯の移動に対して反対方向に移動している。<BR>このようなことから,これらジオキシム-鉄(II)錯体においては,配位π 結合の効果が増大するにつれて,Fe-N吸収帯がより高波数側に観察され,電荷移動吸収帯も長波長側に移動する。

収録刊行物

被引用文献 (4)*注記

もっと見る

キーワード

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ