説明
5, 6, 7員環のエチリデン-,およびイソプロピリデンシクロアルカンを合成し,過安息香酸との反応を検討した。反応生成物はグリコールのモノエステルとエポキシドであるが,その量比は環の大きさによって異なり, 5, 7員環では前者が, 6員環では後者が比較的多いことがわかった。この相違は中間体の安定化のようすが環の大きさによって違うことに基づくと思われる。環拡大反応や水素陰イオンの転位などから推定されるケトンの生成は認められなかった。エチルエーテル溶媒中での反応を動力学的に調べ,メチレンシクロアルカンと比較した。反応速度はメチレンシクロアルカンと同様に,オレフィンと過酸のおのおのの1次に比例する2次式として示されることがわかった。メチル基を順次導入することにより反応性は大きくなり,これは過酸の求電子的な反応を考えると理解される。しかしその効果の大きさは環によって若干の違いがあり,立体的な因子も同時に考慮されねばならないことが結論された。
収録刊行物
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- 日本化學雜誌
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日本化學雜誌 86 (12), 1304-1307, 1965
The Chemical Society of Japan
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680127267584
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- NII論文ID
- 130003510907
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- ISSN
- 21850917
- 03695387
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- Crossref
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可