生活科学習の会話中に存在する知的な気付きに関する研究 : メタファを用いた表現に注目して

書誌事項

タイトル別名
  • A Study on Cognitive Noticing in Children's Conversation in a Life Environment Studies Lesson : Focusing on the Expression of Metaphor
  • セイカツカ ガクシュウ ノ カイワチュウ ニ ソンザイ スル チテキ ナ キヅキ ニ カンスル ケンキュウ メタファ オ モチイタ ヒョウゲン ニ チュウモク シテ

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抄録

本研究は,個の判断を何かに例えるメタフアによる表現が,知的な気付きを見出すのに有力な手がかりとなると考えている。そこで,生活科授業の中でのメタフアの役割,他発言の介入によるメタフア表現のあらわれ方の差異を調査し,メタフア表現が「知的な気付き」を示す指標の一つとなることを検証することを目的とする。まず,小学校1年を対象に調査を行ったところ,活動中にあらわれるメタフアに次のような役割があることが認められた。(1)獲得した概念を他の具体事物によって説明する(2)概念をメタフアを用いて構築していく(3)自らの「思い入れ」を,慣習化されたメクフアにより表現する今回認められたメタフアの機能から考えると,「知的な気づき」の手がかりになることが明らかとなった。また,会話が完結できた場合の方が,途中で他者が介入して会話が途切れてしまった場合よりもメタフア表現が表れやすいということがわかってきた。「知的な気付き」を見出すために大切であるのは,教師は/一人の子どもの話しかけを最後まで聞き届け,その真意にせまるということである。その会話の中からメタフア表現を見出すことができれば,子どもが自分で構成した概念である「知的な気付き」として支援を行いたいと考える。

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