若年男性の雇用形態とソーシャルスキル

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タイトル別名
  • The Effect of Social Skill on Employment Status among Japanese Young Men
  • ジャクネン ダンセイ ノ コヨウ ケイタイ ト ソーシャルスキル

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抄録

本研究の課題は,日本の若年男性におけるソーシャルスキルと雇用形態との関係を明らかにすることである.企業が求職者を正規雇用者として採用するか否かを判断するにあたって,ソーシャルスキルが評価基準として利用されている可能性を検討する.2013年2月に日本全国に居住する15-34歳の被雇用男性(n=872)を対象にインターネット調査を実施し,KiSS-18(菊池 1998)という尺度を用いてソーシャルスキルを測定した.雇用形態(正規, 非正規)との関係を分析したところ,ソーシャルスキルが高い男性ほど正規雇用である確率が高いことが分かった.年齢や学歴,特性的自己効力感を統制してもソーシャルスキルは雇用形態に有意な効果を及ぼしていた.さらに,学卒後の就労年数は雇用形態にかかわらずソーシャルスキルを高める効果を持たなかった.以上の結果は,ソーシャルスキルが雇用形態に影響している可能性を示唆している.現代日本の若年労働市場では,ソーシャルスキルによって人びとが選抜されていると考えられる.

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