互恵性に基づく平等の規範理論

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タイトル別名
  • Normative Theory of Reciprocity-based Equality
  • ゴケイセイ ニ モトズク ビョウドウ ノ キハン リロン

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説明

本稿の目的は互恵性基底的平等の規範理論を提案することである。互恵性基底的平等の理論は、現在の主流理論たる平等の権利モデルに対する代替案となることをめざしている。互恵性をゲーム理論の形式を用いて定式化した後に、権利モデルとの対比において互恵性基底的理論の特質として次の3点を抽出する。それは、(1)相互行為的、(2)他者関与的、(3)対他責任、の3つである。その上で、互恵性と平等との関係について考察する。中心的に問われるのは、互恵性が自然的能力の不平等を再生産するという理解は正しいかどうかということ、互恵性原理には分配的平等を支持する側面が存在するのかどうかということ、である。前者の問いには否定的に答えられることを、後者に関しては価値としての互恵性という考えを用いて肯定的に答えられることを論じる。このようにして互恵性から出発して平等の理論を構築する方向性が示される。

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