尋常性狼瘡の1例

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  • A Case of Lupus Vulgaris: Detection of Mycobacterium tuberculosis in Culture from a Biopsied Specimen

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抄録

82歳,女性。数年前より右頬部に軽度そう痒を伴う皮疹が出現し,徐々に拡大してきた。初診時,右頬部に鱗屑と痂皮が付着する直径 6×4cm 大の境界比較的明瞭な紅斑局面を認めた。生検標本の病理組織検査で,乾酪壊死はなかったがリンパ球浸潤を伴った類上皮細胞肉芽腫を認めた。クオンティフェロン® TB ゴールドは陽性を示した。病理組織の Ziehl-Neelsen 染色で抗酸菌を認めなかった。生検皮膚からの結核菌 DNA の PCR は陰性であった。しかし生検皮膚から Mycobacterium tuberculosis が分離培養され,尋常性狼瘡と診断した。喀痰培養,胸部 CT を施行したが活動性の肺病変はなかった。臨床症状や病理所見より尋常性狼瘡の可能性を考えた際には,さまざまな検査法を用いて抗酸菌の存在を証明する必要があると考えた。(皮膚の科学,13: 172-175, 2014)

収録刊行物

  • 皮膚の科学

    皮膚の科学 13 (3), 172-175, 2014

    日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会

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