下咽頭癌CRT/BRT後の救済手術:術式ごとの安全性について

書誌事項

タイトル別名
  • A comparison of salvage surgery following CRT and following BRT for advanced hypopharyngeal cancer

説明

進行頭頸部癌に対する非手術治療として汎用されているプラチナ製剤併用放射線治療(CRT),セツキシマブ併用放射線治療(BRT)後の再発・遺残に対する救済手術の安全性に関する比較報告はまだ少ない。今回,進行下咽頭癌におけるCRT後およびBRT後の救済手術の安全性について比較検討した。<br>2002年9月から2015年12月までにCRT後の再発・遺残症例67例中,救済手術を実施できた症例は34例であったのに対してBRT後では8例中7例であった。術式別では,救済頸部郭清術はCRT群で22例,BRT群で5例あり,手術時間・出血量など両者に有意差はなく,どちらの群もMajorな合併症はなかった。救済下咽頭・喉頭全摘術はCRT群で19例,BRT群で3例実施し,吻合部リークがCRT群で3例,BRT群で1例認めたが,出現頻度に有意差は認めなかった。<br>局所進行下咽頭癌のCRT後とCRT後の救済手術における安全性には明らかな差はなかった。しかし,救済手術の適応ではBRT群に較べてCRT群で限定的になる可能性が示唆された。

収録刊行物

  • 頭頸部癌

    頭頸部癌 42 (4), 363-367, 2016

    日本頭頸部癌学会

被引用文献 (2)*注記

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