企業で働く個人の「キャリアの確立」を促す学習環境に関する研究 : 実践共同体への参加に着目して

書誌事項

タイトル別名
  • The Study of Communities of Practice Facilitate Career Development for Workers in Enterprises
  • キギョウ デ ハタラク コジン ノ キャリア ノ カクリツ オ ウナガス ガクシュウ カンキョウ ニ カンスル ケンキュウ ジッセン キョウドウタイ エノ サンカ ニ チャクモクシテ

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抄録

本研究の目的は,企業で働く個人の「キャリアの確立」を支援する学習環境について,そのあるべき姿を明らかにすることである.キャリアの確立とは,個人が仕事に関する自己概念を持って意欲的に自分のキャリアを構築していこうとする考え方や姿勢を指す.本研究では学習環境の重要な要素である実践共同体に着目し(美馬・山内2005),日本企業で働く若手中堅社員300名に対してキャリアの確立と実践共同体への参加状況に関するアンケート調査を行った.またアンケート調査の回答者13名に対して,参加実践共同体に関するより詳しいインタビュー調査を行った.その結果,キャリアの確立は,リフレクションや実践共同体のような場への参加によって促されることが明らかになった.また,インタビュー調査からは,複数の実践共同体間を橋渡しする「境界越え」の経験や,メンバーの多様性を活かす活動デザインがなされた「創発的実践共同体」への参加が,キャリアの確立を一層促すことが示唆された.今後,企業で働く個人のキャリアの確立を支援する学習環境として,実践共同体のような場の創造が求められる.

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参考文献 (39)*注記

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