書誌事項
- タイトル別名
-
- Predicting Changes in Suitable Habitats for Beech (Fagus crenata Blume) Forests under Climate Warming in Shirakami Mountains World Natural Heritage Area, Northern Japan.
- セカイ イサン シラカミ サンチ ブナリン ノ キコウ オンダンカ ニ トモナウ ブンプ テキイキ ノ ヘンカ ヨソク
この論文をさがす
抄録
温暖化した2100年における白神山地のブナ林の分布適域を,分類樹モデルと二つの気候変化シナリオ(RCM20とCCSR/NIES)によって予測し,ブナ林の将来変化について考察した。4気候変数と5土地変数を用いたブナ林の分布予測モデルENVIによると,白神山地地域のブナ林の分布は冬期降水量(PRW)と暖かさの指数(WI)で制限されている。二つの気候変化シナリオのPRWは将来も変化が少ないので,将来ブナ林分布へ影響を与える主要因はWIである。分布確率0.5以上の分布適域は,現在の気候下では世界遺産地域の95.4%を占めるが,2100年にはRCM20シナリオで0.6%に減少し,CCSR/NIESシナリオでは消滅する。ブナ優占林の分布下限のWI 85.3に相当する標高は,現在は43 mだが,RCM20シナリオでは588 m,CCSR/NIESシナリオでは909 mに上昇する。現地調査と文献情報にもとづいて求めたブナ林の垂直分布域は,標高260~1,070 mであった。施業管理計画図によると自然遺産地域の約8割が林齢150~200年生であるので,2100年には多くのブナが壮齢期から老齢期を迎える。温度上昇により,ブナ林下限域から,ブナの死亡後にミズナラやコナラなどの落葉広葉樹が成長し,ブナの分布密度の低下が進行する可能性がある。
収録刊行物
-
- 日本森林学会誌
-
日本森林学会誌 89 (1), 7-13, 2007
日本森林学会
- Tweet
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1390282680205630208
-
- NII論文ID
- 110006882846
-
- NII書誌ID
- AA12003078
-
- ISSN
- 1882398X
- 13498509
-
- NDL書誌ID
- 8775077
-
- 本文言語コード
- ja
-
- データソース種別
-
- JaLC
- NDL
- Crossref
- CiNii Articles
-
- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可