診断用X線における後方散乱線低減物質の検討

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  • A study of materials Reducing Backscattered Radiations in X-ray for Diagnosis
  • シンダンヨウ Xセン ニ オケル コウホウ サンランセン テイゲン ブッシツ ノ ケントウ

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抄録

X線を用いた実験を行なう場合, 後方散乱線は測定誤差の誘因の一つである。特に, 線束方向に高い後方散乱特性を示す物質が存在するとその影響は大きくなる。そこで, 原子番号の異なる種々の物質における後方散乱特性を検討した。最初に, 電離箱サーベイメータを用いて, 後方45°方向の散乱線の線量率と物質原子番号の関係を検討した。次に, CZT検出器を用いたエネルギースペクトルから後方散乱線の発生原因を検討した。その結果, Cu(Z=29)が最も低い後方散乱特性を示した。また, 原子番号30付近までの物質はコンプトン散乱による影響が大きく, その後, 原子番号50付近までは, K殻からの特性X線が, それ以降はL殻からの特性X線の影響が大きく, 原子番号の増加にともない後方散乱線の発生原因が異なった。後方散乱線の影響を低減するためには, これらのことを意識し, 適切な対策をとる必要があると考える。

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