空腹時血糖およびHbA1cからみた耐糖能異常の診断

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  • Diagnosis of Diabetes Based on Fasting Plasma Glucose and Hemoglobin A1c
  • クウフクジ ケットウ オヨビ HbA1c カラ ミタ タイトウノウ イジョウ ノ シンダン

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抄録

目的:糖尿病ではimpaired glucose tolerance(IGT)段階での拾い上げが重要視されており,空腹時血糖(FPG)やhemoglobin A1c (HbA1c,JDS値)検査値により糖尿病診断がどの程度正確に行えるかを検討した.<br>対象と方法:人間ドック受診者1,036 名において同日に施行されたFPGおよびHbA1cと75g経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)との関係を比較した.<br>結果:1. FPG 99 mg/dL以下の症例782例中9例(1.2%)ではHbA1c(JDS値)が5.9%以上でありFPGとHbA1cが解離する例がみられた.2. FPG 99 mg/dL以下かつHbA1c(JDS値)5.1%以下の症例470例ではOGTT基準に基づくとOGTT2時間値で≧200mg/dLは4例(0.9%),140≦OGTT 2時間値<200mg/dLは55例(11.7%)であった.3. FPG 100 mg/dL以上ないしHbA1c(JDS値)5.2%以上の症例326例ではOGTT2時間値で≧200mg/dLが11例(3.3%),140≦OGTT2時間値<200mg/dLは75例(23.0%)を占め,FPG 100 mg/dL以上かつHbA1c(JDS値) 5.2%以上の症例240例ではOGTT2時間値で≧200mg/dLが83例(34.6%)140≦OGTT2時間値<200mg/dLは87例(36.3%),つまり70%以上が耐糖能異常であることが示された.<br>結論:FPGおよびHbA1cの同時測定はIGT スクリーニングに重要であった.FPG100 mg/dL以上あるいはHbA1c(JDS値)5.2%以上の際にはOGTTを施行する必要があると考えられた.

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