腹部超音波検診判定マニュアルを用いた精度管理─現状と課題─

  • 千葉 祐子
    公益財団法人北海道労働保健管理協会 臨床検査部

書誌事項

タイトル別名
  • Current Situation and Problems Associated with Accuracy Control Using the Manual for Abdominal Ultrasound in Cancer Screening and Health Checkups
  • 腹部超音波検診判定マニュアルを用いた精度管理 : 現状と課題
  • フクブ チョウオンパ ケンシン ハンテイ マニュアル オ モチイタ セイド カンリ : ゲンジョウ ト カダイ

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説明

当協会では2014年から「腹部超音波検診判定マニュアル」を使用しているが, 一部の所見については判定区分が一致しない項目がある。<BR>2014年度と2015年度の精密検査対象者1,267名において, 当協会で初回指摘時精密検査としている軽度腎盂拡張・腎血管筋脂肪腫・径20mm以上肝血管腫について精検結果を調査した。軽度腎盂拡張では医療機関での経過観察が必要になった例が26.7%含まれ, 臨床的意義を再考する必要性が示唆された。腎血管筋脂肪腫の精検結果からは1例の腎細胞癌が発生し, 超音波所見の捉え方の検討が必要になった。径20mm以上の肝血管腫での精密検査は25件あり, 結果返却された20件中19件が肝血管腫, 1件は肝のう胞であった。肝血管腫の特徴所見の確実な拾い上げにより, 不要な精密検査を回避できる結果となった。<BR>2014年度集計でカテゴリーを調査した結果, 肝臓のカテゴリー4の精検結果のうち72.2%に肝血管腫が含まれた。肝血管腫の特徴所見を明瞭に捉える走査技術の向上が示唆された。

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