免疫グロブリン大量点滴静注療法(IVIG)の関与が考えられる脳血管障害例

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タイトル別名
  • TWO CASES OF CEREBRAL VESSEL DISEASE FOLLOWING HIGH DOSE INTRAVASCULAR IMMUNOGLOBULIN THERAPY

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【背景】免疫グロブリン大量点滴静注療法(IVIG療法)は,副作用として血液粘調度上昇にて血栓塞栓症等の血管障害を発症する場合がある.今回IVIG治療後の脳血管障害合併2例を報告する.【症例1】67歳男性.2006年9月に下肢筋力低下を主訴とし,精査にてS状結腸癌,多発性筋炎と嚥下性肺炎を合併と診断.肺炎治療のため抗生剤投与,多発性筋炎に対してIVIG療法,S状結腸癌に対して外科的切除を施行したが,両側視床出血を合併し永眠.【症例2】62歳男性.既往に壊疽性膿皮症,骨髄異形成症候群が存在.2006年5月に発熱と右手掌の赤色水泡出現を契機に発症,精査にて壊疽性膿皮症再発または壊死性筋膜炎と診断.治療としてIVIG療法,抗生物質投与,mPSLパルス療法,Cyclosporine A投与を行ったが,多発性脳梗塞(右中大脳動脈領域,右後大脳動脈領域,小脳)を合併し永眠.【考察】2例ともIVIG療法が脳血管障害の誘因となった可能性がある.IVIG療法の脳血管障害発症へのリスク評価を推進する必要がある.<br>

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