ATP拭き取り調査による院内環境表面のモニタリング

  • 柴田 洋文
    徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部 臨床薬学実務教育室
  • 川添 和義
    徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部 臨床薬剤学分野 徳島大学病院 薬剤部
  • 柴田 高洋
    徳島大学病院 薬剤部 徳島大学大学院薬科学研究部
  • 伏谷 秀治
    徳島大学病院 薬剤部 徳島大学病院 感染対策部門
  • 渡邉 美穂
    徳島大学病院 薬剤部
  • 高開 登茂子
    徳島大学病院 感染対策部門
  • 長尾 多美子
    徳島大学病院 感染対策部門
  • 東 満美
    徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部 臨床薬学実務教育室
  • 水口 和生
    徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部 臨床薬剤学分野 徳島大学病院 薬剤部

書誌事項

タイトル別名
  • Investigation of the Cleanliness of Hospital Environmental Surfaces by Adenosine Triphosphate Bioluminescence Assay

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説明

  病院環境表面のモニタリングについて,アデノシン三リン酸(ATP)生物発光および微生物学検定を組み合わせて使用することにより評価した.目的は,患者に対して危険をもたらしうる微生物汚染の迅速な検知方法を開発することである.この目的のために,私たちは,外来患者病棟におけるトイレ設備表面のATP生物発光分析および微生物学的検査を行なった.5か所のスクリーニング部位はすべて,清潔で消毒されたステンレス鋼表面よりも著しく高いATPレベルを示し,高度接触表面であること,そして有意に高い濃度の有機物を保持していることがわかった.微生物学的検定により,微生物汚染がスクリーニング部位の至る所に広がっていることを確認した.微生物が検出されるサンプルのATP値は,微生物が検出されないサンプルのATP値より有意に高い範囲にシフトしていた(p<0.01).しかしながら,スクリーニング部位のATP値と好気性コロニー数との間の直線的関係は確立されなかった.これらの結果は,環境の微生物汚染の測定においてATP生物発光を使用して得られるデータは,定量的ではなく定性的なものであることを明白に示唆している.結論として,ATPモニタリングは,微生物による環境汚染およびそれが持続的な汚染状態にある可能性を把握し,院内環境に対する現在の清掃方法に警鐘を鳴らすうえで,迅速かつ簡便な優れた方法である.<br>

収録刊行物

被引用文献 (2)*注記

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参考文献 (27)*注記

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