サルコイドーシスの呼吸器病変と予後に関連する合併症についての総括的検討

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タイトル別名
  • Comprehensive Study of Pulmonary Lesion and Its Complications That Affect Prognosis in Patients with Sarcoidosis
  • サルコイドーシス ノ コキュウキ ビョウヘン ト ヨゴ ニ カンレン スル ガッペイショウ ニ ツイテ ノ ソウカツテキ ケントウ

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抄録

受賞の契機となった研究を,3点に絞って紹介する.1)共刺激分子の遺伝子多型に関する研究: T細胞の活性化に関与する共刺激分子(CD80,CD86, CTLA-4)の一塩基多型(SNPs)について関連分析を行い,これらのSNPsがサルコイドーシスの発症には関与しない一方,CTLA-4のSNPsが気管支肺胞洗浄液のプロファイルに関連する事を示した.2)肺高血圧症に関する研究:心臓超音波で評価した結果,サルコイドーシスの5.7%の症例で肺高血圧症が認められ,全肺気量の低下と関連した.また,血清NT-proBNPがサルコイドーシスの心臓病変の検出において有用性が高い一方で,肺高血圧症の診断精度は低いことを示した.3)気流制限に関する研究:サルコイドーシスの8.8%の症例で気流制限が認められること,高齢,喫煙,stageⅣなどが気流制限の危険因子であることを示した.また,サルコイドーシスの気管支壁面積の測定と肺野のヒストグラム解析を行い,これらの指標が肺機能と相関することを示した.これらの研究を通じて,サルコイドーシスの病態における共刺激分子の関与,臨床管理上問題となる併存症の疫学や病態を明らかにした.

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