下肢救済に応用される局所陰圧閉鎖療法

  • 松崎 恭一
    川崎市立多摩病院 形成外科 聖マリアンナ医科大学 形成外科

書誌事項

タイトル別名
  • Negative pressure wound therapy for limb salvage
  • 難治性創傷の最新治療(2)下肢救済に応用される局所陰圧閉鎖療法
  • ナンチセイ ソウショウ ノ サイシン チリョウ(2)カシ キュウサイ ニ オウヨウ サレル キョクショ インアツ ヘイサ リョウホウ

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抄録

2010年に保険収載された局所陰圧閉鎖療法は従来の創傷治療法と異なり,メカニカル・ストレス(機械的刺激)によって治療効果が得られるため下肢救済に応用されている.創傷に機械的刺激が加わるとmacrodeformation(創傷全体の変形)とmicrodeformation(創傷の微小変形)が生じる.前者によって,創縁の引き寄せ,滲出液と感染性老廃物の除去,滲出液除去による間質液の圧勾配変化と浮腫軽減,血流増加が得られる.後者に伴う細胞形態の変化によって生じるシグナルは,核内へ伝達されて遺伝子の転写がおこる.その結果,細胞の増殖と分化さらに代謝亢進がみられ,成長因子とサイトカインの発現の変化,肉芽形成の促進,血流の増加をもたらし創傷治癒は促進する.本法の特徴を最大限活用するためには適応と禁忌を理解したうえで使用することが肝要である.

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参考文献 (25)*注記

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