【総説-糖質関連酵素化学シンポジウム-】 <i>Bacillus flexus</i>由来の耐熱性β-アミラーゼについて

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タイトル別名
  • [Review: Symposium on Amylases and Related Enzymes] Thermostable β-Amylase from <i>Bacillus flexus</i>
  • Bacillus flexus由来の耐熱性β-アミラーゼについて
  • Bacillus flexus ユライ ノ タイネツセイ ベータ アミラーゼ ニ ツイテ

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抄録

産業用β-アミラーゼ剤の起源は,現在大豆,麦などの植物由来のものに限られているが,その将来に渡る安定供給には不安があり,また食物アレルギーの問題もある。筆者らは,安定供給が可能でかつアレルギーリスクが低くその表示が不要な微生物由来β-アミラーゼの開発を行った。その結果,大豆に近い耐熱性を有するβ-アミラーゼを生産する株(Bacillus flexus APC9451)を見出し,世界ではじめて工業化に成功した。本酵素は,至適温度55℃,55℃まで安定であり,現在最も広く利用されている大麦酵素より耐熱性の高い酵素であり,生澱粉分解活性も保持していた。本酵素は,一次構造上これまでに報告されているBacillus属の他のβ-アミラーゼとは70~80%,植物由来のβ-アミラーゼとは約30%の相同性を有していた。活性中心はE202,E397であると推定され,C末端側にはStarch binding domainを有しており,これらのことはX線結晶構造解析からも確認された。本酵素は,澱粉からのマルトース生成試験において,大麦や小麦の酵素より優れた能力を有していた。また,モチのソフトネス維持にも有用であった。

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参考文献 (20)*注記

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