てんかんと精神病の双方向関係

書誌事項

タイトル別名
  • Psychoses and epilepsy, update and controversies
  • テンカン ト セイシンビョウ ノ ソウホウコウ カンケイ

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説明

てんかんと精神病との関係は古くから議論されてきたが,今日的な課題でもある。最近の知見では,てんかん発症と精神病性障害の発症には双方向性の関係があることが指摘されている。Hesdorffer 氏はてんかんの診断を受けた 3,773 例を検討し,てんかん診断前後の 6年間に精神病性障害を含む各種精神疾患の罹患率が高いことを報告した。大沼梯一氏は,てんかん例に精神病性障害が続発した 289 例と,精神病性障害にてんかんが続発した 23 例を検討し,両者が連続するスペクトルであることを示した。兼本浩祐氏は,抗てんかん薬が関与して発病した精神病性障害には,患者の脆弱性に基づく素因性精神病から,強力な抗てんかん作用による強制正常化現象に基づく交代性精神病まで,連続する病態が存在することを報告した。Trimble 氏は,てんかんに合併する精神病性障害と統合失調症の神経解剖学的および分子生物学的背景を検討し,両者には神経発達障害という共通点があることを指摘した。

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