認知機能研究のための動物モデル評価系

  • 梶井 靖
    ノバルティスファーマ株式会社メディカル本部中枢神経メディカルフランチャイズ部

書誌事項

タイトル別名
  • Evaluation system of animal models to study cognitive function
  • ニンチ キノウ ケンキュウ ノ タメ ノ ドウブツ モデル ヒョウカケイ

この論文をさがす

抄録

神経精神疾患のトランスレーショナル研究では,動物モデルは機能障害の特定の要素にフォーカスしながら,その要素に関して分子から表現型に至る階層構造において妥当性を持つこと,すなわち,多層構造モデルとして着目する機能障害を議論できることが求められている。統合失調症の認知機能障害を特徴付けるcognitive capacity の1 つが思考柔軟性であり,実験的にはカテゴリー変更への対応を評価するExtra-dimensional(ED)set shifting の成績に反映され,ヒトではWisconsin Card Sorting Test が汎用されるが,げっ歯類においても同様に3 つのカテゴリーのキューに基づいてエサのある容器を選択する実験系が確立されており,ED set shifting を多層構造モデルとして解析可能である。認知症の初期から認められ,進行に伴って悪化するcognitive capacity として注目される対連合学習についても,スキーマ依存的地図学習系を用いることでヒト─げっ歯類間の多層構造モデルとしてのアプローチが実現されている。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ