移植後長期フォローアップと慢性GVHD

  • 稲本 賢弘
    国立がん研究センター中央病院造血幹細胞移植科

書誌事項

タイトル別名
  • Long-Term Follow-Up Program and Chronic Graft-versus-Host Disease

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抄録

<p> 現在本邦では年間5,000件以上の造血細胞移植が行われている。移植技術の進歩に伴い早期死亡が減少し,長期生存者の数は増加し,晩期合併症管理の重要性が増している。晩期合併症は慢性移植片対宿主病,原疾患の再発,二次がん,感染症,肺合併症,内分泌障害,心疾患,慢性腎障害,鉄過剰症,骨合併症,社会心理学的障害など多岐に渡り,死因としては原疾患の再発,肺合併症,感染症,二次がん,慢性GVHDが多い。晩期合併症の予防や管理について国際ガイドラインや本邦の長期フォローアップガイドラインも作成された。最近の研究によって患者および医療者の両方に対して晩期合併症管理の教育が必要であることが示され,長期フォローアップシステムによって患者の健康管理や生存率が改善する可能性が示されている。本総説では晩期合併症と長期フォローアップのエビデンスを紹介し,慢性GVHDの診断と治療を2014年版NIH基準に基づき概説する。</p>

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