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- 小長谷 一之
- 大阪府立大学総合科学部
書誌事項
- タイトル別名
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- Neighbourhood Effect of Voting Behaviour in Urban Society
- 都市社会における投票行動の近隣効果--1991年京都市議選の分析
- トシ シャカイ ニ オケル トウヒョウ コウドウ ノ キンリン コウカ 199
- 1991年京都市議選の分析
- An Analysis of a 1991 Kyoto Municipal Election
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説明
政治学者や社会学者の多くは,投票行動の集計結果(投票率,得票率)に現われる地域差を,投票性向の異なる社会階層の居住構成が,地域ごとに異なることに帰着させてきた(構成主義的アプローチ).ところが,地理学者が行なってきた諸外国の研究事例では,地域差のなかで,構成主義理論によっては説明できない部分がかなりあることがわかっている.この説明未了の部分の大半は,近隣効果と呼ばれる地域文脈的効果によるものと考えられる.近隣効果の発見は,過去30年の選挙地理学の最大の成果の1つである.<br> 本稿では,京都市における1991年市議選の都市内地域における投票情報を分析し,次の3点を発見した.(1)有権者の階層構成の地域差は,投票率・得票率の地域差を説明できるほど大きくはない.(2)「地域別の投票率・得票率」は,地域ごとに変動し,その地域差パターンは構成主義モデルではほとんど説明できず,強い残差が残る(集計的近隣効果の存在).(3)「地域別かつ階層別の投票率・得票率」は,同じ階層について比較しても,地域ごとに変動し(非集計的近隣効果の存在),その地域差パターンは階層によらず,「地域別の投票率・得票率」の地域差パターンに類似する.この3つの現象は,普遍性をもち,たがいに密接に結びついていることがわかった.
収録刊行物
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- Geographical Review of Japa,. Ser. A, Chirigaku Hyoron
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Geographical Review of Japa,. Ser. A, Chirigaku Hyoron 68 (2), 93-124, 1995
公益社団法人 日本地理学会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680401188352
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- NII論文ID
- 110000521433
- 10003624021
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- NII書誌ID
- AN1016484X
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- ISSN
- 21851735
- 00167444
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- NDL書誌ID
- 3272762
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- データソース種別
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- JaLC
- NDLサーチ
- Crossref
- CiNii Articles
- OpenAIRE
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可