呼吸器感染症に対するCefoperazoneの臨床使用経験及び胸水中移行に関する研究

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  • CLINICAL EXPERIENCE WITH CEFOPERAZONE IN BRONCHOPULMONARY INFECTIONS AND STUDIES ON ITS PENETRATION INTO PLEURAL EFFUSION

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抄録

Cefoperazone (CPZ) は, 富山化学工業綜合研究所で開発された, いわゆる第3世代のCephem系抗生物質である。本剤は, グラム陽性菌, 陰性菌の各菌種に広い抗菌スペクトルを有し, 特に従来のCephem系抗生物質に比し, Haemophilus influenzae, Pseudomonas aeruginosa に対する抗菌力が優れている1, 2)。<BR>呼吸器感染症における起炎菌の同定は, 検査材料としての喀痰が, 常在細菌叢のある上気道, 口腔を通過して得られると言う制約があるため, 一般に困難であることが多い3, 4)。しかし多くの場合, Streptococcus pneumoniae, Staphylococcus aureus, β-Streptococcus, H.influenzae, Klebsiella pneumoniae, P.aeruginosa, Escherichiacoliなどが起炎菌である事が多い5)。<BR>最近, 抗生物質の開発がめざましく, 感染症は軽視されがちである。しかし, 死因別統計でみると, 肺炎及び気管支炎は死因の第4位の地位を占め6), まだ呼吸器感染症が日常診療上重要な疾患であることを示している。又, 急性呼吸器感染症による死亡は, 発病後早期におこることが多い。このような観点から, 前述の起炎菌のすべてをカバーできるCPZをFirst choice抗生物質として使用し, その臨床効果を検討した。<BR>又, 抗生物質の胸水中移行に関する研究はまだ報告が少なく7~15), 特にCPZの胸水中移行の報告はない。今回は, CPZの胸水中移行に関しても検討したので, 合せて報告する。

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