尿路感染症分離菌に対する経口ならびに注射用抗菌薬の抗菌力比較 (第26報2004年)

DOI

書誌事項

タイトル別名
  • COMPARATIVE STUDIES ON ACTIVITIES OF ANTIMICROBIAL AGENTS AGAINST CAUSATIVE ORGANISMS ISOLATED FROM PATIENTS WITH URINARY TRACT INFECTIONS (2004)
  • III. SECULAR CHANGES IN SUSCEPTIBILITY
  • その3.感受性の推移

抄録

2004年8月から2005年7月までの間に全国14施設において, 尿路感染症と診断された患者から分離された菌株 (Staphylococcus aureus, Enterococcus faecalis, Escherichia coli, Klebsiella spp., Pseudomonas aeruginosa) を供試し, 各種抗菌薬に対する感受性を測定した。菌株を単純性尿路感染症由来と複雑性尿路感染症由来 (カテーテル非留置とカテーテル留置を含む) の2群に分類し, 1995-2003年の感受性と比較した。<BR>S.aureusの薬剤感受性は, 2003年度までの成績と同等で, Vancomycin (VCM) およびArbekacin (ABK) に対して最も強い感受性を示した。E.faecalisの薬剤感受性も2003年度までの成績とほぼ同等であった。E.coliのセフェム系薬剤に対する感受性は全般的に良好で, Cefbzopran (CZOP) のMIC90は1995年以降0.125μg/mL以下であり最も安定していた。Cefpirome (CPR) およびCefbtiam (CTM) に対する感受性も良好であったが, Cefaclor (CCL), Cefixime (CFIX), Cefbodoxime (CPDX) に対する複雑性尿路感染症群の感受性は大きく低下した。カルバペネム系薬剤に対する感受性も良好であったが, 前年度まで良好だったCarumonam (CRMN) に対する感受性は低下傾向を示した。また, キノロン系薬剤に対する感受性の変動は大きく, 単純性尿路感染症群では2003年以降, 複雑性尿路感染症群では2000年以降急激な低下を示しており, 耐性株の出現が示唆された。Klebsiella spp.の薬剤感受性は, 前年度Cefazolin (CEZ), CTM, CCL, CPDX, Cefditoren (CDTR) に対して低下したが, 本年度は前々年度のレベルにまで回復した。その他のセフェム系薬剤に対する感受性は, 1995年以降比較的安定しており, 特にCZOPに対して最も高い感受性 (MIC90≤0.125μg/mL) を維持している。カルバペネム系薬剤およびCRMNに対する感受性も良好であった。アミノグリコシド系薬剤に対する感受性はCZOPより低いものの1995年以降安定な推移を示している。P.aeruginosaの薬剤感受性は全般的に低く, その感受性は1995年以降ほとんどの薬剤で大きく変動している。単純性尿路感染症群に対してMIC90が大きく変動しているものは, Ceftazidime (CAZ), Cefsulodin (CFS), CZOP, Imipenem (IPM), Meropenem (MEPM), Aztreonam (AZT), CRMN, Gentamicin (GM) ならびにTobramycin (TOB) で, 複雑性尿路感染症群に対しては, CFS, CZOP, MEPM, GMならびにCiprofloxacin (CPFX) であった。Amikacin (AMK) に対する複雑性尿路感染症群の感受性は比較的安定していた。MIC50の年次推移からみて, 比較的安定して高い抗菌力 (MIC50: 0.5-2μg/mL) を有している薬剤はTOBついでIPMであった。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680471534336
  • NII論文ID
    130004131056
  • DOI
    10.11553/antibiotics1968b.59.217
  • COI
    1:STN:280:DC%2BD28nntlGrsg%3D%3D
  • ISSN
    21865477
    03682781
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ