尿路感染症分離菌に対する経口並びに注射用抗菌薬の抗菌力比較 (第11報 1989年)

書誌事項

タイトル別名
  • COMPARATIVE STUDIES ON ACTIVITIES OF ANTIMICROBIAL AGENTS AGAINST CAUSATIVE ORGANISMS ISOLATED FROM URINARY TRACT INFECTIONS (1989)
  • I. SUSCEPTIBILITY DISTRIBUTION
  • その1. 感受性について

抄録

1989年6月から翌年5月までの間に全国10施設において, 尿路感染症と診断された患者から分離された菌株を供試し, それらの各種抗菌薬に対する感受性を測定した。尿路感染症患者から分離された菌の内訳は, グラム陽性菌が30.8%であり, その多くはEnterococcus faecalisであった。グラム陰性菌は69.2%であり, その多くはEscherichia coliであった。<BR>Enterococcus faecalisに対してはImipenem (IPM) の抗菌力が最も強く, その他Ampicillin (ABPC), Vancomycin (VCM) 等が良好であった。Staphylococcus aureusに対してはVCM, Dicloxacillin (MDIPC), Arbekacin (ABK) が強かったが, 他の薬剤は弱かった。S.epidermnidis に対してはMinocycline (MINO), ABK, VCMが良好であった。CNSに対してはIPM, ABK, MINOが最も強く, その他の薬剤も全体的に良好な抗菌力を示した。Streptococcus agalactiae に対してはCefazolin (CEZ), Cefuzonam (CZON), IPM, Clindamycin (CLDM) の抗菌力が最も強い抗菌力を示した。E. coliに対しては全体的に各薬剤とも強い抗菌力を示し, 特にIPMが良好であった。しかし, ペニシリン系薬剤は弱かった。Klebsiella pneumoniaeに対してはどの薬剤も比較的良好な抗菌力を示したが, ペニシリン系薬剤は弱かった。Enterobacter cloacaeに対してはIPMとOfloxacin (OFLX) が良好な抗菌力を示した。ペニシリン系, セフェム系薬剤は弱かった。Proteus mirabilisに対しては全体的に良好な抗菌力を示した。Serratia marcescens, Pseudomonas aeruginosaに対しては各薬剤とも抗菌力は弱くIPMが比較的良好な抗菌力を示したに過ぎなかった。<BR>我々は, 泌尿器科領域において重要な疾患である尿路感染症について, 1979年以来・分離菌の頻度, 抗菌薬に対する感受性を測定し, 患者背景及び感受性の経年的変動について検討を続けてきた1-10)。<BR>本年も若干の知見を得る事ができたので, その1において感受性について, その2において患者背景, その3において感受性の推移について報告する。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680472589056
  • NII論文ID
    130004395710
  • DOI
    10.11553/antibiotics1968b.48.1131
  • COI
    1:CAS:528:DyaK2MXosFCnsb0%3D
  • ISSN
    21865477
    03682781
  • PubMed
    7474333
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • PubMed
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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