小児副鼻腔炎からの耐性肺炎球菌検出状況とclavulanic acid/amoxicillin投与症例の検討

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  • A CLINICOBACTERIOLOGIC STUDY ON CLAVULANIC ACID/AMOXICILLIN IN PEDIATRIC SINUSITIS

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抄録

市中の耳鼻咽喉科診療所10施設において, 1997年11月から1998年5月までの期間に小児副鼻腔炎の検出菌の動向を調べるとともに, clavulanic acid/amoxicillin (CVA/AMPC;オーグメンチン®) 小児用顆粒若しくは錠剤およびamoxicillin (AMPC) 顆粒若しくはカプセルを2群に分けて経口投与し, 有効性を比較検討し, 以下の結論を得た。<BR>1.中鼻道内容物からStreptococcus pneumoniae32.2%, Haemophilus influenzae32.0%, Moraxella subgenus Branhamlla catarrhalis25.1%などを検出した。上咽頭ぬぐい液からも同様の傾向で菌が検出された。<BR>2.S. pneumoniaeのうち62.1%は薬剤耐性肺炎球菌 (PISP, PRSP) であり, 年々増加している事が確認された。<BR>3.PISPおよびPRSPは38.6%の症例から検出され, 増加傾向が認められた。<BR>4.Streptococcus pneumoniae, Hamophilus influenzaeおよびMoraxella subgenus Branhamella catarrhalisに対するMIC90値ではいずれの菌種においてもCVA/AMPCは優れた抗菌力を示した。<BR>5.CVA/AMPCの臨床学的有効率, 細菌学的有効率および有用性はそれぞれ78%, 58%, 72.8%であり, いずれにおいてもAMPCよりも有意に優れた成績を示した。<BR>6.CVA/AMPC投与例において下痢・軟便の副作用が11.2%に見られたが, AMPCとの間に有意差は認められなかった

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