DD/Tbrマウス乳癌ウイルスを保持する3系統のマウスの乳癌における<I>int</I>遺伝子の発現

書誌事項

タイトル別名
  • The Different Activation of <I>int</I> Genes in Mammary Carcinomas Developed in Three Mouse Strains Harboring Mouse Mammary Tumor Viruses Derived from DD/Tbr
  • DD/Tbrマウス乳癌ウイルスを保持する3系統のマウスの乳癌におけるint遺伝子の発現〔英文〕
  • DD Tbr マウス ニュウガン ウイルス オ ホジスル 3 ケイトウ ノ マ

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説明

DD/Tbrマウス, DD/Tbrマウス乳癌ウイルス (DD-MMTv) 感染NIH swissマウス (NIH/Mtv+) , およびDD-MMTV感染BALB/cマウス (BALB/Mtv+) の乳癌におけるMMTVの共通組み込み部位, int遺伝子の発現を調べた。DD/Tbrマウスの乳癌16例のうち9例 (56%) と8例 (50%) において, それぞれint-1およびint-2遺伝子の発現が増加していた。また, このDD/Tbrマウスに発生した16例の乳癌のうち13例 (81%) においてint-1とint-2のいずれかの遺伝子発現の増加がみられた。一方, NIH/Mtv+マウスでは17例の乳癌中7例 (41%) , 4例 (24%) において, それぞれint-1およびint-2遺伝子の発現が増加していた。int-1とint-2のいずれかの遺伝子の発現増加が見られたのは, DD/Tbrに比べて明らかに少なく, 17例中8例 (47%) であった。BALB/Mtv+マウスの乳癌ではさらに低く, int-1とint-2のいずれかの遺伝子の発現増加を示したのは, 9例中3例 (33%) に過ぎなかった。DD-MMTVで3系統のマウスにひきおこした乳癌におけるint-1あるいはint-2遺伝子の発現増加の頻度の違いは, マウスの系統に固有の遺伝的性質によると考えられる。従って, 乳癌発生におけるint-1とint-2の寄与の大きさは宿主細胞側の遺伝的性質によって大きく変わることを示唆している。また, int-1およびint-2遺伝子の活性化はH-ras, K-ras, N-ras, myc, raf, fgr, fms, erbB , mos, srcのような癌遺伝子の発現と相関していなかった。

収録刊行物

  • Experimental Animals

    Experimental Animals 40 (4), 431-438, 1991

    公益社団法人 日本実験動物学会

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