ゲノム,エピゲノムからヌクレオームへ:遺伝情報発現制御機構の包括的理解に向けて

  • 木村 宏
    東京工業大学 科学技術創成研究院 細胞制御工学研究センター
  • 佐藤 優子
    東京工業大学 科学技術創成研究院 細胞制御工学研究センター

書誌事項

タイトル別名
  • From genome and epigenome to nucleome: Towards to comprehensively understanding gene regulation mechanism
  • ゲノム,エピゲノム カラ ヌクレオーム エ : イデン ジョウホウ ハツゲン セイギョ キコウ ノ ホウカツテキ リカイ ニ ムケテ

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説明

<p>生物の遺伝情報はゲノムDNAに刻まれている。ゲノムDNAからいかにして必要な情報を必要に応じて取り出すことができるのか,という問題を解明できれば,生命現象の理解に大きく近づくことができる。遺伝子の発現制御には,DNAに直接結合する転写因子が必須であるが,ヒストンの翻訳後修飾を介したエピジェネティクス制御や細胞核内でのゲノム高次構造なども重要な役割を果たすことがわかってきた。そこで,最近,細胞核を包括的かつ時空間的に理解する「ヌクレオーム(Nucleome)」研究が注目を集めている。ヌクレオーム研究という視点に立ち,顕微鏡解析,ゲノム解析,情報・数理解析を融合させることで,ゲノムの発現制御機構を理解できると考えられている。ヌクレオーム研究は米国ですでに予算措置されている他,ヨーロッパでの動きや国際コンソーシアム発足に向けた活動も進んでいる。わが国でもヌクレオーム研究を推進することが生命科学の発展に重要であると考えられる。</p>

収録刊行物

  • 情報管理

    情報管理 60 (8), 555-563, 2017

    国立研究開発法人 科学技術振興機構

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