炙り調理における魚食肉の香気特性

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  • Flavor of fish on grilled cooking

抄録

炙り調理における魚食肉の香気特性 小西雅子* 久保田紀久枝** (*東京ガス(株),**お茶の水女子大) 目的 炙り調理した食材から発現する香気は、他の調理時に発現するものと は明らかに異なり、しかも嗜好性が高い場合が多い。本研究では、食肉や魚 肉などタンパク質食品における炙り調理時に発現する香気について官能評価 で特性を明らかにするとともに、その後期に寄与する化学成分について分析 し、その特徴を明らかにすることを目的とした。 方法 (1)数種類の肉と魚について炙り調理を実施し、通常の焼き調理と 比べ、炙り調理に適する食材を検索するとともにその炙り条件について検討 した。(2)定量的記述分析法による官能評価を実施し、炙り調理の風味の 特徴づけを試みた。(3)豚肉、鶏肉、海老について、発生ガス濃縮装置に 接続したガスクロマトグラフィー-質量分析(GC-MS)によるダイナミックヘッ ドスペース法を用い、調理により発現した香気成分について分析した。 結果 炙り調理専門店の調理長へのヒアリングによると、経験的に鶏もも肉 や豚ロース肉など適度に脂ののった食材や、脂は少ないが、海老や烏賊など が炙り調理に適しているということであった。豚ロース肉について、官能評 価を行った結果、炙った豚肉はスパイシーでナッツ臭が強いのに対し、フラ イパンで焼いた豚肉は水っぽい香りが強いことがわかったGC-MSによる分析 の結果、炙り豚肉はフライパンで焼いた場合に比べて香り成分の種類が多く 、総量も多いことが示された。炙ったエビでは、香ばしい香りに関与する含 窒素化合物が多く、フライパンで焼いたエビでは脂肪酸の分解物であるアル デヒド類が顕著に多かった。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680534592896
  • NII論文ID
    130006956245
  • DOI
    10.11428/kasei.59.0.177.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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