スチームコンベクションオーブンによるケーキの調理成績

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タイトル別名
  • Cooking Quality of the Cake Baked with Steam Convection Oven

抄録

目的:スチーム機能とオーブン機能を併せ持つスチームコンベクションオーブン(スチコン)は、蒸し加熱及びオーブン加熱単独では得られない加熱効果を与えるが、先行研究が極めて少ない。本研究ではスチコンを用いてスポンジケーキを焙焼し、調理成績に与える影響をオーブンを用いた場合と比較した。<br>方法:スチコン(OZCSO-1800、OZAKI)と強制対流式オーブン(オーブン)を用いてケーキを焙焼し、ケーキ内部及び庫内の温度履歴、焼き上がり重量、形状、表面の焼き色(色差計)、表面および内部の破断特性値(クリープメーター)を求めた。また両加熱機の加熱能は従来の方法で測定した。<br>結果:加熱温度(実測値)および時間を180°C、25分間に設定しケーキを焙焼したところ、スチコン加熱のケーキはオーブン加熱のそれに比べて形状が顕著に異なり、中心上部が高く盛り上がる山形であった。またスチコン加熱の方が焼き上がり重量は重く、表面の色彩はL値、b値が低く、a値が高い結果となった。破断測定値は、ケーキ中心部での違いが認められない一方、表面部ではスチコンの破断応力はオーブンのそれよりも2倍大きく、もろさ応力は18倍大きい値となった。スチコン及びオーブンの加熱能を測定したところ、加熱初期の熱伝達率[W/(m2・K)]が、スチコンが83.7であるのに対しオーブンは42.5であり、蒸気の潜熱によりケーキ表面が速やかに焙焼され、オーブン加熱と異なる物性を与えることが示された。両加熱機におけるケーキへの伝熱量を概算で同等にした場合も、調理成績の傾向は同様であった。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680535174400
  • NII論文ID
    130006956882
  • DOI
    10.11428/kasei.56.0.158.0
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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