グルテンフリー米粉パンの膨化に与える大豆タンパク質の影響
書誌事項
- タイトル別名
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- Effects of soy proteins on expansion of gluten free rice flour bread
説明
目的 製パンにおいて最も重要な工程は、発酵時に発生する炭酸ガスを生地中に閉じ込め、生地を膨化させることである。しかし、グルテンフリー米粉パンにおいて生地はバッター状となり、グルテンネットワークが存在しないため、ガスの保持が非常に困難である。そこで、増粘剤やグルタチオン等の添加によって、この工程に改良を加えた製パン法が多数報告されているが、これらの添加物を使用しない方法は少ない。そこで本研究では、これらの添加物を使用せずにバッターを膨化させる新たな方法と、それに寄与する成分の探索を行った。<br>方法 製パンには、市販米粉、水、豆乳、砂糖、食塩、ドライイースト、精製大豆タンパク質(グリシニン、β-コングリシニン)を使用した。製パン条件として、水と豆乳の置換割合、大豆タンパク質添加の有無と種類、大豆タンパク質の撹拌強度等を検討した。膨化性の評価は、バッターの体積増加率、焼成後のパンの形状、内相のキメの均一さ等によった。<br>結果・考察 加水の一部またはすべてを豆乳で置換してバッターを調製したところ、体積増加率は豆乳置換率が増すに従って有意に増加した。豆乳の替わりに精製大豆タンパク質を添加したところ、グリシニン、β-コングリシニンのいずれでも、バッターの体積増加率は無添加よりも有意に増加した。精製大豆タンパク質を添加したバッターを焼成したところ、グリシニン添加の膨化が優れていた。これらの結果より、グルテンフリー米粉パンでは、水の替わりに豆乳による加水が有効であること、大豆タンパク質、特にグリシニンが炭酸ガスの補足に寄与していることが判明した。さらに、撹拌による大豆タンパク質の変性は、パンの膨化性に影響を与えることも示唆された。
収録刊行物
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- 一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
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一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集 64 (0), 185-, 2012
一般社団法人 日本家政学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680536486784
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- NII論文ID
- 130005470154
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可