Effect of super-long chains on gelation and retro-gradation of rice starch

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  • アミロペクチンの超長鎖が米澱粉の糊化・老化特性に与える影響

Description

〔目的〕高アミロース米には,見かけのアミロース含量は約30%と同様であるが,アミロペクチンの超長鎖含量,RVAのピーク粘度,セットバックが異なる性質を示す澱粉をもつ品種が知られている。本研究では,アミロペクチンの超長鎖含量が異なる品種米から澱粉を調製し,アミロペクチンの超長鎖が米澱粉の糊化・老化特性に与える影響ついて力学物性測定と構造観察により検討した。<BR>〔方法〕日本晴,ホシユタカ,夢十色の3品種から,アルカリ抽出法により澱粉試料を調製した。澱粉の糊化は,試験管に入れた澱粉試料(澱粉濃度5%)をオイルバス中で,一定温度で30分間加熱しておこなった。力学物性測定は,動的粘弾性測定法により経時変化を20℃で測定した。澱粉粒の構造観察は,ローダミンBで蛍光染色して共焦点レーザー走査顕微鏡(CLSM)でおこなった。<BR>〔結果〕日本晴,ホシユタカ,夢十色の澱粉は,見かけのアミロース含量が19.6%,28.1%,29.4%,アミロペクチンの超長鎖含量が0.0%,6.9%,13.6%と報告されている。澱粉糊の力学物性を測定した結果,日本晴は90℃,ホシユタカは95℃,夢十色は98℃の加熱で,最も高いG’値を示した。澱粉糊のG’値は,日本晴,ホシユタカ,夢十色の順で高い値となり,アミロペクチンの超長鎖含量に対応した。CLSMによる観察の結果,日本晴は90℃以上,ホシユタカは95℃以上の加熱で澱粉粒の崩壊が観察されるようになったが,夢十色は98℃の加熱でもほとんど澱粉粒の崩壊は観察されなかった。以上の結果から,アミロペクチンの超長鎖の存在により澱粉糊のG’値は高くなること,澱粉粒は加熱により崩壊しにくくなることが示唆された。

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Details 詳細情報について

  • CRID
    1390282680538210816
  • NII Article ID
    130006958780
  • DOI
    10.11428/kasei.63.0.181.0
  • Text Lang
    ja
  • Data Source
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • Abstract License Flag
    Disallowed

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