市販だしにおける呈味成分の特徴

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タイトル別名
  • Characterizations of taste components in instant soup stock

抄録

目的 わが国においては様々な味や香りを呈する市販だしが販売されており、それらの嗜好成分は異なることが推察される。しかし、市販だしにおける嗜好成分の特徴については不明な点が多い。そこで本研究では、市販だしの主要な嗜好成分と考えられる呈味成分を網羅的に分析した。また、天然素材を用いた手作りだし(天然だし)の呈味成分についても分析し、市販だしと比較した。<br>方法 市販顆粒だし8種、市販だしパック7種、固形だし1種を各製品の標準使用量に準じて蒸留水で希釈し、加熱後に濾過したものを試料とした。天然だしは、かつおだし、昆布だしおよび混合だし(かつおと昆布)とし、それぞれ常法に従い抽出したものを用いた。呈味成分としてアミノ酸および核酸の含量を分析した。<br>結果 市販だしのグルタミン酸含量は原材料に調味料(アミノ酸等)を含むもので顕著に高く、食品素材や風味原料を含むものでは少ない傾向にあった。5’-イノシン酸含量は顆粒だしよりもだしパックで低い傾向がみられ、5’-グアニル酸は原材料にしいたけや玉ねぎを含むもののみで検出された。また、市販だしは天然だしと比べグルタミン酸含量が高いのに対し、うま味を呈するアスパラギン酸、甘味および苦味を呈するアミノ酸類の含量が低値を示した。以上より、市販だしの呈味成分は原材料やだしの形状により違いがあることや、市販だしと天然だしでは呈味成分の組成が異なることが明らかとなった。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680538718848
  • NII論文ID
    130005256088
  • DOI
    10.11428/kasei.68.0_163
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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