COX-2およびPPARを標的とした辛味成分の機能性評価

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タイトル別名
  • Evaluation of pungent component by suppression of COX-2 expression and activation of PPARs

抄録

目的 誘導型シクロオキシゲナーゼ(COX-2)はプロスタグランジン産生の律速酵素で、非ステロイド性抗炎症薬の標的として知られ、発癌や生活習慣病にも関与している。一方、核内受容体PPARはリガンド依存性転写因子で、α、β/δ、γのサブタイプが存在する。いずれも脂質および糖代謝等に関与しており、生活習慣病予防の標的として注目されている。我々はPPARγがCOX-2の細胞特異的発現調節に関与することを見出し、COX-2発現抑制およびPPAR活性化を指標とした食品成分の機能性評価を続けている。これまでに、両効果をもつ成分を植物精油や香辛料等から複数同定し、本学会にて報告してきた。今回は、食用植物由来の辛味成分について検討した。 <br>方法・結果 培養細胞系でのCOX-2発現抑制とPPAR活性化は、各々ウシ血管内皮細胞を用いたレポーターアッセイにより評価した。その結果、辛味成分はLPSによって誘導されたCOX-2プロモーター活性をγ非依存的に抑制し、PPARα、β/δ、γを選択的に活性化した。さらに、辛味成分(0.04%)を4週間摂取したマウスでは、PPARα依存的な血漿トリグリセリド量と遊離脂肪酸量の有意な減少、および肝臓のPPARα応答遺伝子群の発現誘導が認められた。以上より、辛味成分はCOX-2発現抑制およびPPARα活性化を介して生活習慣病予防効果を有する可能性が示唆された。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680538731520
  • NII論文ID
    130005256114
  • DOI
    10.11428/kasei.68.0_16
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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