郊外地土地区画整理事業における「おくれ」及び「ずれ」について

書誌事項

タイトル別名
  • "OKURE"(DELAY) AND "ZURE" (DISCREPANCY) OF BUILT-UP PROCESS IN LAND READJUSTMENT AREA
  • コウガイチ トチ クカク セイリ ジギョウ ニ オケル オクレ オヨビ ズレ

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抄録

本論文では, 郊外地区画整理事業地区の宅地の市街化過程に見られる市街化の遅延と無秩序化の現象を「おくれ」及び「ずれ」という用語で定式化し, 我々の調査を含む多くの調査結果を基礎に概念の明確化と, その内容, 要因の整理を行い, あわせて対策の方向を検討した。結果を簡単にまとめれば次の様である。(ア)「おくれ」は区画整理事業が市街化に先行して行なわれるという物質と, 事業そのものは市街化の促進対策を持たないことからおこり, 事業が市街化に先行する度合の強いグループに顕著に見られる。(イ)「おくれ」には「全面おくれ」「地区的おくれ」および「混在的おくれ」の3つの型が存在する。「おくれ」の対策は, この型ごとに違ったものになるが, 計画的対処の容易な「地区的おくれ」へ導く事が要点である。(ウ)「ずれ」は区画整理事業の範囲が原則として基盤整備にとどまるという特質に由来する。(エ)「ずれ」には, 住区居住環境に影響する側面と, 街区居住環境に影響する側面とがあり, この2つは計画的対処の上では区別して考えなければならない。(オ)「ずれ」の要因は, 現実と乖離した計画標準を個々の区画整理設計で採用することなど, 計画段階で既に予見されているものが少なくない。これも, つまるところ街区レベルの市街化形態を計画的規制できないことに由来する。(カ)「おくれ」が「ずれ」の要因になること, 「おくれ」が「ずれ」の住区居住環境への影響を弱めるなど, 両者の相互関係に留意する必要がある。

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