光合成細菌を利用した水素生産
書誌事項
- タイトル別名
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- Photoproduction of hydrogen by photosynthetic bacteria
説明
光合成細菌による光水素発生を新エネルギー産業として実用化するには、光エネルギーから水素エネルギーへの光エネルギー変換効率を向上させる必要がある。基質に実廃水やバイオマス、エネルギー源に太陽光を用いた場合、変換効率は著しく低下する。これらは、主に光や光合成細菌の特性に由来することが明らかになっている。そこで我々は、2つの異なるアプローチによる技術課題の解決を試みている。1つめは、太陽光の特性に合致した高効率フォトバイオリアクター(PBR)の開発である。光の分散照射に適した内部照射型PBR や遮光体付きPBR を作製し、基本的な平板型PBRと比較を行った。新規PBRでは約2倍の変換効率が得られた。2つめは、光合成細菌の色素を減少させることにより自己遮蔽効果を低減し、変換効率の向上を試みた。UV変異により色素減少株2株を取得し、野生株と比較した。色素減少株では約1.5倍の変換効率が得られた。さらに、光合成細菌を利用した水素生産に関してフィージビリティースタディーを行い、ギガジュール(GJ)あたりの製造コスト、環境調和性の指標であるLCCO2を積算した。現行のエネルギーと比較を行い、本技術の産業技術としての成立要件、環境調和性について検討した。また、光合成微生物のヒドロゲナーゼと光合成器官・電子伝達鎖を電極基盤上に3次元的に組織化し、太陽エネルギーを集積し水素へ高効率で変換する水素発生用バイオ分子デバイスの開発を試みている。
収録刊行物
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- 日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
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日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集 2004 (0), S086-S086, 2004
日本植物生理学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680603438464
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- NII論文ID
- 130006986833
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可