シロイヌナズナの細胞質型テトラピロール結合タンパク質の解析

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タイトル別名
  • Analysis of Cytosolic Tetrapyrrole Binding Protein in <I>Arabidopsis thaliana</I>

抄録

植物のヘムは葉緑体やミトコンドリア、細胞質、ペルオキシソームに存在する。また、テトラピロール中間体は葉緑体からのシグナルとして核の光合成遺伝子の発現を制御する。しかし、これらオルガネラへのテトラピロールの分配機構の詳細は明らかではない。高等植物のテトラピロールは葉緑体で合成され、その分配にはテトラピロール結合タンパク質(TBP)の関与が考えられる。今回、我々は植物でのテトラピロールの分配機構の解明を目的とし、ヒトやマウスのTBPであるp22HBPのシロイヌナズナ相同遺伝子の解析を行った。<br> シロイヌナズナのp22HBP相同遺伝子は6遺伝子存在し、うち2遺伝子にN末端シグナルペプチドが付加していた。p22HBPと最も相同な遺伝子(At1g17100)のGFP融合タンパク質をタマネギで一過的に発現させたところ、細胞質でGFP蛍光が認められた。また、組換えタンパク質へのヘム添加により、ヘム結合による400nm近辺での吸収増加が認められた。ヘム結合の解離定数は約0.4 µMであり、プロトポルフィリンIXとの結合(解離定数 約0.4 µM)も認められた。また、アポペルオキシダーゼ活性の再構成実験から、ヘム結合は可逆的であることが明らかとなった。以上の結果から、At1g17100はシロイヌナズナの細胞質型TBPであり、テトラピロール輸送タンパク質として機能していることが示唆された。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680604242816
  • NII論文ID
    130006987714
  • DOI
    10.14841/jspp.2006.0.426.0
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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