シロイヌナズナCOP1の細胞内分布特性と機能発現

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タイトル別名
  • The function and the intracellular localization of <I>Arabidopsis</I> COP1

抄録

シロイヌナズナの光形態形成抑制因子COP1は、暗所では核に分布し、核内の転写因子等のタンパク質との相互作用を介して光形態形成を抑制する。一方、明所では細胞質に移行し、COP1による抑制が外れると考えられている。本研究ではCOP1の細胞内分布と機能発現の相関を明らかにすることを目的として以下の実験を行った。COP1の核移行を抑えるためにCOP1のNLS (Nuclear Localization Signal) に変異を加え、GFPとの融合遺伝子を構築した。このGFP-COP1 (Mut) 遺伝子をタマネギ表皮細胞で一過的に発現させたところ、GFP-COP1は核に、GFP-COP1 (Mut) は細胞質に分布することを確認した。これらの遺伝子をシロイヌナズナに導入し、GFP融合タンパク質が芽生えの形態形成に及ぼす影響を調べた。その結果、GFP-COP1は核に、GFP-COP1 (Mut) は細胞質に分布していた。また、GFP-COP1 (Mut) 形質転換体の芽生えでは、暗所で子葉の発達が観察された。このような暗所での子葉の発達はGFP-COP1過剰発現個体では見られなかった。従って、GFP-COP1 (Mut) 形質転換体の形態変異はCOP1の細胞質分布によるものと推測できる。以上の実験結果に基づいてCOP1の細胞内分布と機能発現の相関について考察する予定である。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680605774464
  • NII論文ID
    130006989456
  • DOI
    10.14841/jspp.2003.0.226.0
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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