免疫攪乱による細胞外分泌因子の機能解析

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タイトル別名
  • Functional analysis of extracellular components using immunomodulation.

抄録

モノクローナル抗体を植物体で発現し、抗原の機能を攪乱することで引き起こされる表現型から、抗原の機能を類推する方法は、免疫攪乱(Immunomodulation)と呼ばれる。実際、植物ホルモンに対する抗体を発現した植物体が、植物ホルモンが枯渇した植物体のような表現型を示すことが報告されている。<br> 私たちは、ファージディスプレイサブトラクション法を用いて、木部分化に伴って細胞外に蓄積する分子に対するモノクローナル抗体(scFv)を、これまでに約 100 種類単離した。本研究では、これらの抗体が認識する抗原の中で、木部分化で重要な機能を果たしているものを効率よく選び出す目的で、免疫攪乱を行うことにした。この時、幾つかの先駆研究を参考に、次の3点を工夫した。1)抗体の発現に広く用いられてきた恒常的発現プロモーターに代わって薬剤誘導性プロモーターを用いることにした。2)殆どの細胞外分泌分子は、ゴルジ体から分泌経路を通して合成・修飾されることから、抗体にシグナルペプチドと小胞体保持シグナルを付けた。3)抗原発現時の植物体の表現系が、抗原と抗体の結合に起因することを確認するために、抗原に結合しない変異型の抗体を植物体で発現させたラインを陰性対象とした。現在、小規模実験として、約 10 種類の抗体を発現する形質転換ラインを作出中であり、この表現型を解析を行っているので、その結果を報告したい。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680608433280
  • NII論文ID
    130006993057
  • DOI
    10.14841/jspp.2006.0.675.0
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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