抗体療法における抗腫瘍活性と糖鎖修飾の関連性の検討

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タイトル別名
  • Study of the relationship between anti-tumor activity and glycosylation of Trastuzumab

抄録

抗体薬の抗腫瘍効果を示すメカニズムとして、抗体依存性細胞傷害活性(ADCC)、補体依存性細胞傷害活性(CDC)が重要視されている。ADCC活性は、Fc受容体をもつNK細胞による免疫応答に起因する抗体薬の主要な抗腫瘍効果発現機序である。近年の研究より、抗体に付加される糖鎖の構造の違いがADCC活性に大きく影響することが示されている。すなわち糖鎖におけるフコース含有量の低い低フコース型抗体は、高フコース型抗体に比べ著しくADCC活性が高まることが報告されている。今回、我々は、Trastuzumab投与を受けた乳癌患者血清を用いて、抗体の糖鎖修飾においてその修飾酵素であるα1-6フコシルトランスフェラーゼ及びフコシダーゼの血清内における活性の測定系を確立し、酵素活性と抗体の糖鎖修飾について検討した。フコシダーゼ活性は合成基質である4-nitrophenyl-α-L-fucopyranosideを用い、酵素反応の結果生ずる生成物、4-nitrophenolを分光光度計により測定した。α1-6フコシルトランスフェラーゼ活性は蛍光基質を用いて生成物を、逆層高速液体クロマトグラフィーにより分離、定量した。本酵素活性測定系は、少量の血清を用いて測定可能であり、今後、臨床効果との相関を調べ、抗体薬のバイオマーカーとしての有用性を検討する予定である。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680651530368
  • NII論文ID
    130007007577
  • DOI
    10.14905/jscp.2007.0.17.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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