認知症高齢者グループホームにおける料理活動内容の実態

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タイトル別名
  • Investigation of the actual conditions of cooking activities for elderly people with senile dementia in group home

抄録

<BR>【目的】認知症高齢者グループホームでは介護者の支援のもと、入居者自身が日常生活で料理活動を行い、日常生活動作の維持、QOLの向上を図っている。これら料理活動の支援方法や料理内容などの方法論の確立を目的として、認知症高齢者グループホームの料理活動に関する実態調査を行った。本報告では、主に調理内容に関して報告をする。<BR> 【方法】2009年1月、全国のグループホームから無作為抽出した1155施設を対象に、郵送法調査を行った。有効回収366票、有効回収率は31.7%であった。調査の内容は、入居者の日常の料理活動参加頻度、料理活動の内容(調理操作)、所要時間、品数、好評だった料理名、失敗例などとした。<BR> 【結果】料理活動を日常的に入居者が一緒に行っている施設は85%であり、そのうち1食以上を「ほぼ毎日作っている」という施設が約半数を占めた。また入居者が担当する料理活動で、「包丁を使用する」が8割あり、「テーブルを拭く」に次いで多かった。他に「味見」「野菜を洗う」が多く、「火を使う調理」や「味付け」は少なかった。料理活動をおこなって好評だった料理は、お好み焼き、餃子、おはぎなどが多く見られた。また季節やイベントに合わせた料理、郷土料理も多く作られていた。失敗した料理の理由として、「時間がかかった」「なじみのない料理だった」「量が多かった」という回答が多かった。調理時間は入居者の集中力を考慮して、30分~60分の間という回答が多かったことから、可能な調理操作を短時間でおこなうことが重要であると考える。どのような料理メニューにどのような料理支援をおこなうことが適当であるか等を組み込んだ、メニューの整理を行っていきたい。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680665580160
  • NII論文ID
    130007009653
  • DOI
    10.11402/ajscs.21.0.2062.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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