微細米粉の理化学的性質および製菓への応用
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- 高崎 禎子
- 首都大学東京
書誌事項
- タイトル別名
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- Physicochemical properties and utilization for confectioneries of fine rice powder
抄録
【目的】近年、米を微細化する技術が進歩しており、米を酵素処理後、気流粉砕する方法が開発されている。本研究では米粉利用の方向性を探るために、米の微細化が米粉の理化学的性質に与える影響について検討した。さらに小麦粉の代替として、スポンジケーキ、シュー、クッキーなどの菓子への応用についても検討した。<br>【方法】微細米粉(酵素処理後気流粉砕)、通常米粉(自由粉砕)、薄カ粉を用いた。粉の粒度分布、糊化特性を測定するとともに加水した場合の生地の物性(硬さ、付着性、凝集性など)を測定した。3種類の粉を用いてスポンジケーキ、シュー、クッキーを調製し、出来上がった製品の評価(重さ、体積、膨化量、比容積、物性、官能検査など)を行った。<br>【結果】微細米粉の粒度は30-53μmのものが約47%を占め、薄カ粉と同様な粒度分布であった。一方、通常米粉では106μm以上のものが約52%を占めていた。微細米粉の糊化特性は、糊化開始温度、最高粘度、最低粘度において通常米粉より低い傾向にあった。加水した際の生地の物性は粉の種類により差が見られた。米粉を用いたスポンジケーキの品質には粉の粒度の大きさが影響を及ぼしており、微細米粉を用いたスポンジケーキは薄力粉と同等、またはそれ以上の品質であった。米粉クッキーは崩れやすいが、クッキーの調製が可能であった。通常米粉で調製したシューは膨化が不十分で不適であったが、微細米粉では薄力粉に近い良好な製品が得られた。本研究により微細米粉がスポンジケーキ、シュー、クッキーにおいて小麦粉の代替として応用できることが明らかとなった。
収録刊行物
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- 日本調理科学会大会研究発表要旨集
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日本調理科学会大会研究発表要旨集 18 (0), 69-69, 2006
日本調理科学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680666165632
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- NII論文ID
- 130007010337
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可