ジアシルグリセロール(DAG)の加熱特性

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タイトル別名
  • Cooking properties of diacylglycerol

抄録

<BR>【目的】<BR>  演者らは、DAGの調理特性について研究しており、これまでにDAGは一般の食用油であるトリアシルグリセロール(TAG)と異なり、乳化剤の非存在下においてW/O型エマルションを形成すること、しかも塩類の存在で乳化安定性が著しく向上することを認めた。本研究では加熱におけるDAGの調理特性を明らかにすることを目的とした。 <BR>【方法】<BR>  脂肪酸組成及びトコフェロール含量を同一に調整したDAGおよびTAGを試料油とした。食材として群馬県産中長ナス(千両ナス)を直径約4cm、厚さ1cmに成形したものを用いた。ナス重量の15%の油を使用し、190℃で片面60秒間、フライパンで静置加熱した。ナスの重量変化、水分蒸発量、吸油量、付着・残油量、内部温度、果皮・果肉の色およびレオナーによる圧縮試験を行うと共に、官能検査により外観、軟化の程度、油っぽさを評価した。 <BR>【結果】<BR>  DAGを用いて加熱したナスはTAGのそれと比べて、加熱後重量はやや少なく、水分蒸発量は若干多かった。加熱中の内部温度上昇には大きな差は見られなかったが、DAGのナスへの吸油量はTAG に比べて少なく、付着油量、残油量は共に多かった。DAGで加熱したナスはTAGのそれに比べ、果肉の中心部分まで軟かく、ナス表皮の変色や退色は少なかった。官能検査の結果、DAGで加熱したナスの表皮はツヤがあり、軟らかく、若干油っぽいと評価された。以上よりDAGを用いれば短時間加熱での仕上げが可能であることを認めた。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680667431296
  • NII論文ID
    130007012512
  • DOI
    10.11402/ajscs.20.0.134.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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