食文化における調味料の継承について
書誌事項
- タイトル別名
-
- Roles of seasonings used in succession of food cultures
抄録
目的:国際化社会にあって文化交流は食生活にも波及している。我が国と最も近い距離にある朝鮮半島の食文化が我が国にどのように影響しているか、そしてどのように継承されているかを日本人(A)群、在日韓国人・朝鮮人(B)群、韓国人(C)群の食事内容を調査し、その結果から考察した。 方法:対象者はA群57名、B群48名、C群44名の各40歳代女性、有職率はそれぞれ47%、52%、56%、経済状態は「良い・まあまあ良い」87%、83%、84%であった。調査方法は調査用紙の留め置き法と聞き取り法の併用。A群とB群は日本語、C群は韓国語を用いた。調査期間は平成18年9~11月である 結果:家庭でよく食べる肉料理はA群:焼き肉、ハンバーグ、唐揚げ、とんかつ、すき焼き,B群:焼き肉、すき焼き、ハンバーグ、ステーキ、唐揚げ,C群:プルコギ、サンギョプサル、タットリタン、カルビクイ、サンゲタンであった。肉料理に使用する調味料は塩、砂糖、胡椒が3群共通で、A・B群共通はソース、ケチャップ、みそ、B・C群共通はコチュカル、コチュジャン、ニンニク、唐辛子であった。野菜料理はA群:サラダ、野菜の煮物、野菜炒め、キンピラ、八宝菜、B群:サラダ、ナムル、野菜の煮物、野菜炒め、キンピラ、C群:ナムル、キムチ、野菜炒め、サラダ、チゲであった。野菜料理に使用する調味料は塩、砂糖、酢、醤油、マヨネーズ、味噌、ごま油が3群共通で、A・B群共通は胡椒、みりん、サラダ油、ポン酢,B・C群共通はニンニク、コチュジャン、ごま、唐辛子であった。 考察:使用する食材は肉も野菜も料理はB群はA群に近かったが、調味料はB群はC群と共通した傾向にあり、食文化の保持は担い手の成育に使用した調味料を忘れない限り継承されることが示唆された。
収録刊行物
-
- 日本調理科学会大会研究発表要旨集
-
日本調理科学会大会研究発表要旨集 22 (0), 138-138, 2010
日本調理科学会
- Tweet
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1390282680667483264
-
- NII論文ID
- 130007012586
-
- 本文言語コード
- ja
-
- データソース種別
-
- JaLC
- CiNii Articles
-
- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可