キヌア澱粉の諸性質 と糊化特性
書誌事項
- タイトル別名
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- Characterization of quinoa starch and its pasting properties
説明
<BR>【目的】近年、健康志向が高まり、雑穀の利用が省みられている。その一つとしてキヌアは食物繊維やミネラルを多く含むことから生活習慣病を予防する食品として注目されている。また アレルギー疾患用食材として期待され、健康機能性を持つ新しい食品素材として可能性が期待されている。今までキヌアの全粒粉を添加したスポンジケーキやパンの食味特性について検討してきたが、その特性に強く影響を及ぼしていると思われる澱粉についての特性を明らかにし、今後の利用法の基礎資料とすることを目的とし た。<BR> 【方法】試料はキヌア(ボリビア産)、対照として市販のトウモロコシ(日本食品化工)、コメ(島田化学)の三種類の澱粉を用いた。キヌア澱粉を常法で調製後、各澱粉の顕微鏡観察、ミネラル成分、X線回折、粒径分布、 溶解度・膨潤力、ラビットビスコによる粘度特性、フォトペーストグラフィーによる糊化温度、DSCによる吸熱量などについて検討した。<BR> 【結果・考察】顕微観察では、キヌア澱粉は対照のトウモロコシ、コメ澱粉より澱粉粒が小さいことが観察された。粒径分布から各澱粉の平均粒径がキヌア澱粉2.5μm、コメ澱粉4.3μm、トウモロコシ澱粉9.8μmとキヌア澱粉が小さいことが認められた。X線回折図形ではいずれもA型図形を示した。フォトペースト溶解度・膨潤力では三種類の澱粉とも同様の傾向を示した。DSCより吸熱開始温度はキヌア、コメ、トウモロコシの順に温度が高くなり、吸熱エネルギーでも同様の傾向で高い値を示した。ラビットビスコによる粘度特性では、キヌア澱粉はコメ澱粉、トウモロコシ澱粉より、ブレークダウン、セットバックの値が小さく、冷却後も特徴的な緩やかな上昇カーブを示した。
収録刊行物
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- 日本調理科学会大会研究発表要旨集
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日本調理科学会大会研究発表要旨集 21 (0), 1050-1050, 2009
日本調理科学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680667632896
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- NII論文ID
- 130007012780
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可