国産紅茶の抽出条件の違いによるDPPHラジカル消去能とポリフェノール成分について

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タイトル別名
  • DPPH-radical scavenging activities and polyphenol components of domestic black teas by different extraction conditions

抄録

【目的】近年、国内で栽培された茶葉で製造した国産紅茶の販売量が多くなり、飲用者も増加している。しかし、国産紅茶の成分や機能性、抽出条件による違い等に関する研究は少ない。また、紅茶は本来、熱水抽出が一般的であるが、近年では抽出法も多様化し、冷水で抽出する方法も行なわれている。本研究では、産地の異なる国産紅茶を試料とし、抽出条件の違いによるDPPHラジカル消去能とポリフェノール成分について比較検討した。【方法】試料は、嬉野紅茶(ふじかおり)、まりこ紅茶(べにふうき)、伊勢紅茶(べにほまれ)の国産紅茶3種と、対照としてインド産ダージリンを用いた。各試料1gを4℃、30℃で1時間、60℃、100℃で2分間抽出し、100 mLに定容したものを試料液とした。国産紅茶の総ポリフェノール含量はフォリン・デニス法でEGCG相当量として求めた。DPPHラジカル消去能は吸光度法により測定し、カテキン類とテアフラビン類はHPLCにより分析した。【結果】ポリフェノール含量は、100℃で107.9~128.1 mg/100 mL、60℃で63.9~86.2 mg/100 mLであり、抽出温度の高いほうがポリフェノール含量も高かった。低温での抽出では30℃で72.7~92.9 mg/100 mL、4℃で23.7~36.2 mg/100 mLであり、30℃で1時間抽出では60℃で2分抽出と同程度のポリフェノール含量が確認できた。DPPHラジカル消去能は、時間が同じ場合、抽出温度の高いほうが高く、ポリフェノール含量との相関もR2=0.8692と高い相関を示した。カテキン類とテアフラビン類の含量は、温度の高いほうが両成分とも高値を示した。品種間では嬉野はEGCGが、まりこはEGC、伊勢ではECGが高く、テアフラビン類では各試料ともT(テアフラビン)が高く、まりこ、伊勢ではT3Gも高値を示した。 

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680668287232
  • NII論文ID
    130005044153
  • DOI
    10.11402/ajscs.25.0.140.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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