A note on venison by vacuum packed pouch cooking as foods

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  • 真空低温調理法を用いたシカ肉の食資源としての可能性

Description

【目的】近年静岡県内でも、鹿や猪などによる農作物被害が問題視されているが、これらの獣肉は、­ジビエ料理に欠かせない材料としてヨーロッパでは広く知られている。我々は、害獣を食糧自給率向上への資産にできないかと考え、シカ肉を材料として、真空低温調理法によるレシピを考案し、食肉としての嗜好性の改良を試みた。                    <br>【方法】まず、県内産のシカ肉を使用した真空低温調理法による5種類のレシピを試作し、嗜好調査をする。次に、その上位の「マーマレード煮」、「コンフィ」の2種類を選択し、シカ肉と牛肉(シカ肉と同じ部位と値段)を材料とした試作品を63名のパネルに官能検査を実施する。さらに、レオメーターでの測定結果により、肉の特性を比較検討する。<br>【結果】官能検査の結果では、「マーマレード煮」は美味しさ、硬さ、外観、弾力性ともシカ肉と牛肉に差があまりなかった。また、「コンフィ」の検査の結果では、美味しさは牛肉の方が優位であったが、他の3項目に大きな差は見られなかった。<br>【考察】シカ肉は、「硬くて匂いがきつい」、「肉の赤色が血液を連想させる」などの理由で一般に普及していない。しかし今回の官能検査の結果、真空低温調理法や調味の工夫次第で、シカ肉も牛肉と同様に受け入れられる可能性があることが分かった。確かに、シカ肉は入手方法や価格の点で課題も多いが、低エネルギー、低脂質、鉄の含有量の高さ等々のシカ肉の特長は、鉄分の必要な妊産婦、鉄欠乏症貧血が心配されるスポーツ選手、ダイエット中の人々などに幅広く適した食資源であると言える。

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Details 詳細情報について

  • CRID
    1390282680668314368
  • NII Article ID
    130005044128
  • DOI
    10.11402/ajscs.25.0.118.0
  • Text Lang
    ja
  • Data Source
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • Abstract License Flag
    Disallowed

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