褐藻数種のORAC値による抗酸化能評価及び加熱調理の影響
書誌事項
- タイトル別名
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- Antioxidative activity by the ORAC value and cooking by heating on seaweeds.
説明
【目的】海藻は旨味成分を多く含むなど日本料理には欠かせない素材であり、最近ではフコキサンチンやフロロタンニン類などの抗酸化成分が見出され注目されている。褐藻綱カジメ科に属する海藻は適度な温度、時間で加熱するとワカメのように鮮やかな緑色を呈し、かつ強い粘りが出ることから、特定の地域では好んで食されるなど新たな献立を提案できる食材でもある。我々はこのカジメ類について他の海藻には見られないほど高い抗酸化活性(ORAC値)を示すことを見出したことから、この高い抗酸化性を活かした調理法を提案するため、加熱温度・時間の違いによる色調、粘り成分、その他有効成分の変化について検討した。<br>【方法】市販の海藻類のうち褐藻綱カジメ科に属するアラメとクロメの他、カジメ科以外のコンブ類の1種、ワカメ、ヒジキ、アカモク、クロモの藻体、及びワカメの胞子葉(めかぶ)を原料に用いた。またクロメについては島根県浜田市沖で採取した後、50℃、8時間乾燥した物も併せて検討した。ORAC値はAAPH溶液からペルオキシラジカルを発生させ、それによって分解される蛍光をベルトールド社製Mithras LB940プレートリーダを用いて測定し、既知の標準物質Troloxに対する相対値として求めた。<br>【結果】今回測定したカジメ類のORAC値は29,561 μmolTE/100gであり、他の海藻類の約10倍も高い値を示したことから、機能性素材としての有用性を確認できた。また70、75、80、85、90、95℃と異なる温度で加熱をした結果、1分間の加熱ではいずれの温度でも鮮やかな緑色を呈したが、5分間の加熱では70、75℃のみが緑色に呈し、80℃以上の加熱では全て褐変した。
収録刊行物
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- 日本調理科学会大会研究発表要旨集
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日本調理科学会大会研究発表要旨集 24 (0), 46-, 2012
日本調理科学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680669307392
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- NII論文ID
- 130005044048
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可