きゅうりの輪切り実技テストにみる学生の包丁技術の変遷と教育効果

書誌事項

タイトル別名
  • Transition of result and educational effect on a practical skill test of cutting cucumber

説明

【目的】近年、学生の調理技術の低下は著しく、中でも包丁技術において端的に表れているといわれるが、この変化をテ゛ータで客観的に示したものはほとんどみられない。演者は、1年次前期の調理実習終了時点におけるきゅうりの輪切り実技テストを1984年から2011年まで、不定期ではあるが17回行ってきた。また、2007年度からは入学時(4月)についても実施してきた。実技テストの結果を通して、学生の包丁技術の低下の変遷と半期間の教育効果について若干の知見が得られたので報告する。 【方法】輪切り実技テストは、10センチ長さのきゅうりを出来るだけ早く薄く切るように指示して15秒間切らせ、残ったきゅうりの長さ(a)と切った枚数(b)とからb2/3(10-a)を算出し、得点とした。なお、緑色の部分が円周の3/4以上残っていれば1枚とみなした。 【結果】前期終了時点の平均点は、1980年代では51~61点と比較的高い点数を維持しているが、1997年から30点台にほぼ半減し(2008,2009年度は20点台)今日に至っている。点数の分布を10点刻みで年度別にみると、人数割合が最も高いのは1984年では60点台、1986年は50点台、1987年~1990年は30点台と少しずつ下がり、1997年以降は20点台と確実に低下傾向を見せている。10点台は1992年までは5%以下であったが2008年、2009年は約3割にも上った。2007年~2010年における入学時(4月)と半期終了時(7月)の成績を比較すると、点数の平均値は22点から31.6へと約1.4倍、切った枚数は15枚から21枚に増え、若干の教育効果がみられた。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680669716736
  • NII論文ID
    130007015690
  • DOI
    10.11402/ajscs.23.0.150.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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